亡くなった義母からのおくりもの
娘が生まれる前に、お腹の羊水が足りないとのことで入院しました。私も娘も大変な状態ではなく、臨月でいつ生まれてもおかしくない時期だったので、念のための入院でした。
周りは絶対安静にしていないといけない妊婦さんばかり。一方の私は、散歩のノルマや食事制限(初日に売店で肉まんを買い食いしたら、病院から出される食事以外は口にしないことを約束させられました)など、出産のための合宿のようでした。
ある絵本との出会い
散歩の途中に、病院の図書コーナーでこちらの絵本を見つけました。
お腹の中にいる娘に、毎日この絵本を読んであげました。
その内容は、物知りのアナグマが亡くなり、仲間の動物たちはその死に深く悲しみ別れを惜しみます。しかし、それぞれがアナグマから教わったことを思いだし、アナグマに感謝をします。彼が伝えてくれた知識や経験が、仲間たちの生活の中に根付いていることにも気づくことで、別れを乗り越えるというストーリーです。
とっておきのおくりもの
この絵本との出会いの半年前に、私たちは夫の母親を亡くしました。初めて読んだ時に、お母さんのことが重なり涙が止まらなくなりました。
私は彼女からカッターシャツのアイロンのかけ方を教えてもらいました。
他にも、親戚とのつきあい方、美味しいパスタ屋さん、夫が疲れたりしんどくなると甘えたになることも。
おしゃべりが大好きで、とっても優しい人でした。結婚してもなかなか子どもを作らなかった私たちに、親戚からの「子どもはまだか?」の防波堤になってくれていました。
誰よりも孫をとっても心待ちにしていたのに、妊娠が分かって2ヶ月後にこの世を去りました。
この子を抱かせてあげたかった
と、同時に
お腹の中の子どもを通して、私の身体の中にもお母さんの血(遺伝子)が流れている
お母さんが残してくれたおくりものとは、今4歳になった私の娘です。私は、娘のなかにお母さんを感じます。
お母さんは「写真のおばあちゃん」になりました。毎朝出かけるときと、夜に寝るとき、みんなでおばあちゃんに挨拶しています。
いのちのつながりを感じられたら、
死は終わりではなくなります
お盆によせて、胃がん克服ママいずみでした。
本日もお読みくださりありがとうございます。
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